難問奇問数学自作問題81-ピダコラス一致-

 { \displaystyle n}自然数とし、  { \displaystyle x^2+y^2+z^2=n^2} を満たす有理数  { \displaystyle x,y,z} を考える。  { \displaystyle x,y,z \neq 0} となる解が無数に存在することを示せ。」

 

 

 ヒントは、ピタゴラス数が無数にあることをまず示すこと。すなわち、 { \displaystyle (s^2-t^2,2st,s^2+t^2)} は常に { \displaystyle (s^2+t^2)^2=(s^2-t^2)^2+(2st)^2} を満足するので、 { \displaystyle s,t} を好きな整数に取ればいくらでもピタゴラス数ができる。この事実を踏まえると良い。

 

 略解と考え方を説明する。あるピタゴラス数の組  { \displaystyle (a,b,c)=(s^2-t^2,2st,s^2+t^2)}を考える 。すると、 { \displaystyle (x,y,z)=\left(\frac{a^2}{c^2}n, \frac{ab}{c^2}n, \frac{b}{c}n  \right)} が、題意の式を満足していることが確かめられる!!!

 なぜこのような組み合わせを思いついたのだろうか?実はすごく簡単。 { \displaystyle c^2=a^2+b^2} の両辺に { \displaystyle c^2} を掛け、ピタゴラスの定理を用いて変形していくと、

     { \displaystyle c^4=a^2c^2+b^2c^2=a^2(a^2+b^2)+b^2c^2=a^2a^2+a^2b^2+b^2c^2} 

を得る。右辺は、3つの平方の和になっている!このように、ピタゴラスの定理から平方和を無尽蔵に増やしていけるのである。これを利用すれば、解はすぐに求められる。

 ひとたび上記の解が求まれば、ヒントで示した事実を使い、解が無数にあることを示せる。