難問奇問数学自作問題82-ペル方程式という名前は誤解で生まれた-
ペル方程式 に関する問題。(1)は帰納法を使えばそんなに難しくは無い。同問の結果は、「一つでも特殊解が見つかれば、そこからいくらでも違う解を作り出せる」ということ。なので、(2)では如何に特殊解が求まるかがカギとなる。
以下、(2)の特殊解を求めてみよう。をについての二次方程式とみなすと、判別式は
となる。これが平方数になっている必要があるため、が平方数になる場合を考えれば良い。特別な場合として、とすると明らかに平方数になることがわかる。この時の は方程式に代入することで となるため、解の一つになっている。あとは、(1)の結果より、違う解を一つ生成すれば良い。
こっからは完全に余談。本問で扱った方程式はペル方程式と呼ばれているが、実はその名前は誤解で生まれたものであるらしい。伝説の数学者オイラーが、「この方程式を研究したのはペルだ!」と早とちりしてしまい、この名前になったそう。実際は、ウィリアム・ブラウンカーという数学者が一般的な解法を導いており、こちらの名前を採用すべきであった。かわいそう。