難問奇問数学自作問題92-私とコーシーシュワルツを-
「以下の問いに答えよ。
(1) 実数の組 に対し、 が成り立つことを示せ。
(2) 実数の組 に対し、 が成り立つことを示せ。ただし、 とする。
(3) 正の実数 に対し、 とする。このとき、 が成り立つことを示せ。」
意欲のある人は(2)から、あるいは(3)から解いてみよう。ほぼコーシーシュワルツ一辺倒の問題だが、結構難しい。解き方によるが、 の扱いをしっかり熟知しておく必要がある。大学数学で習う線形代数やテンソル計算などではこういった抽象的な式の扱いが肝になる。
(1)は、がの値によらず正になることから、の二次方程式に対する判別式の条件で導くことができる。
(2)は、(1)においてとおけば一発。
(3)では、各項の分子分母にをかけて(2)を適用する。それがより大きくなることを示せば良い。このとき、 などの恒等式が使えるかがカギ。
各不等式の名称をまとめると、
(1):コーシーシュワルツの不等式
(2):シュワルツの不等式
(3):自分で導出してみたもののなんの不等式なんだろう笑。ならネスビットの不等式っていうのだが。名前知ってる人いたら教えてください。ネスビットの不等式は他にも多くの別解がある。ググって見てください。