難問奇問数学自作問題125-めざせ180度開脚の後日談-

「壁に垂直に立てかけられた棒が,徐々に足がずれていって倒れるまでに通過する領域は,アステロイドという曲線で記述できる。これを踏まえ,前々問でアステロイド曲線が出現した理由を考察せよ。」

 

 

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 ヒントは「脚を伸ばして寛ごう」。

 

難問奇問数学自作問題123-めざせ180度開脚-

「高さ1で厚みのない脚立が両足が原点,頭が { \displaystyle (0,1)}に来るように { \displaystyle y}軸に立てかけられている。脚立の左足を原点に置いたまま,右足を { \displaystyle x}に軸に沿って { \displaystyle (2,0)}に来るまで動かす。この時,脚立が通る領域は, { \displaystyle x}軸, { \displaystyle y}軸とある曲線 { \displaystyle f(x)}軸に囲まれた領域となる。曲線 { \displaystyle f(x)}を求めよ。」

  

 { \displaystyle 0\leq x\lt \frac{2}{\sqrt 2}}では円周の一部になることは明らかだろう。解き方のポイントは領域を { \displaystyle x=t(2/\sqrt{2} \leq t \lt2)}で切断した時の,切断線の高さを求めることである。いろいろな脚立の左脚の傾き { \displaystyle \theta}に対する切断線と右脚の交点を求め,そのy座標が最も高くなるような傾きを求めよう。

難問奇問数学自作問題122-続定符号関数-

「前問の関数 { \displaystyle f(x)}に対し、 { \displaystyle 0\leq f(x)f(-x)\leq f(0)^2}が成り立つことを示せ。」

 

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一個目の不等式は,前問の(2)から明らか。二個目の不等式は { \displaystyle f(0)}および { \displaystyle f(\pm x)}が登場する式なので、前問の仮定の式において、 { \displaystyle x_1=x,x_2=0}と置いたものから出発すればよいことが分かる。ただ、このままでは { \displaystyle f(x)}たちが絶対値になっていないため、仮定の式の複素数係数 { \displaystyle \alpha}を適当にとることで、絶対値が出現するように工夫する必要がある。その際のヒントは、 { \displaystyle e^{i \rm{arg} \it{A}}|A|}=Aという有名な恒等式である。

難問奇問数学自作問題121-定符号関数-

 { \displaystyle x}を実数とする。関数 { \displaystyle f(x)}が、任意の実数 { \displaystyle x_1,x_2}と任意の複素数 { \displaystyle \alpha_1,\alpha_2}に対し、 { \displaystyle \sum_{i=1,j=1}^{2} \alpha_i \alpha_j^* f(x_i-x_j)\geq 0}を満たすとする。このとき、以下を示せ。ただし、「 { \displaystyle ^*}」は複素共役を表す。

(1)  { \displaystyle f(0)\geq 0}

(2)  { \displaystyle f(-x)=f(x)^*}

 

 

仮定の式を満たす関数を定符号関数と呼ぶ。 { \displaystyle x_1,x_2,\alpha_1,\alpha_2}として、具体的な値を代入することで上記の関係式を導出しよう。(2)のヒントは、まず { \displaystyle f(x)+f(-x)}が実数になることを示すことである。複素共役であることを示すには、これ以外にもう一つ確認しなければならないことがあるはずだが...

難問奇問数学自作問題120-自己回帰モデルと定常性-

 { \displaystyle \alpha x^2+\beta x+1=0}の全ての解が、絶対値が1を超えるような実数 { \displaystyle \alpha, \beta}の範囲を図示せよ。」

 

 

虚数解の場合も忘れずに議論せよ。答えは、かなり綺麗な図形になる。ちなみに、これは大学で統計や経済で習う”時系列解析”に出てくる、2次の自己回帰モデル特性方程式に相当する。このモデルは、2項間漸化式に基づいて将来を予測するものであり、予測誤差として正規分布のノイズを仮定している。