難問奇問数学自作問題89-外心のベクトルを知らないとは心外-

「三角形ABCにおいて、外心をOとする。 { \displaystyle \vec{AO}+25\vec{BO}+25\vec{CO}=\vec{0}}が成り立つとき、三角形ABCはどのような三角形となるか。」

 

基本は前問と同じ。まずは、外心の位置を特定しよう。外心は各辺の垂直二等分線の交点であるので、Oから辺ABに下ろした垂線の足をHとすると、 { \displaystyle \vec{AO} \perp \vec{OH}}が成り立つ。 { \displaystyle \vec{AB}=\vec{p},\vec{AC}=\vec{q}}を用いて整理すると、 { \displaystyle (s\vec{p} +t\vec{q})\cdot \frac{1}{2} \vec{p}=0} が成り立つ。 辺CAについても同様に式を立てることで、係数に対する連立方程式が得られ、ベクトルを決定できる。

 

以下、 { \displaystyle BC=a,CA=b,AB=c}とおく。 条件式は、 { \displaystyle 51\vec{AO}=25(\vec{AB}+\vec{AC})} と同値であり、

 { \displaystyle \frac{51}{(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)}\left\{b^2(a^2-b^2+c^2)\vec{p}+c^2(a^2+b^2-c^2)\vec{q} \right\}=25(\vec{p}+\vec{q})}

となる。

左辺において  { \displaystyle \vec{p}} { \displaystyle \vec{q}} の係数が等しくなるには、① { \displaystyle b=c} または② { \displaystyle a^2=b^2+c^2} となる必要がある。この場合分けのもと計算していくと、 { \displaystyle 5a=7b=7c} を得る。