難問奇問数学自作問題88-垂心推進委員会-

「三角形ABCにおいて、垂心をHとする。 { \displaystyle \vec{AH}+7\vec{BH}+7\vec{CH}=\vec{0}}が成り立つとき、三角形ABCはどのような三角形となるか。」

 

まずは、垂心の位置を特定しよう。ベクトルでやるより、初等的に三平方の定理メネラウスの定理を使うと良い。以下、 { \displaystyle BC=a,CA=b,AB=c}とおく。 条件式は、 { \displaystyle 15\vec{AH}=7(\vec{AB}+\vec{AC})} と同値であり、 { \displaystyle \vec{AB}=\vec{p},\vec{AC}=\vec{q}}を用いて整理すると、

 { \displaystyle \frac{15(-a^2+b^2+c^2)}{2a^2b^2+2b^2c^2+2c^2a^2-a^4-b^4-c^4}\left\{(a^2+b^2-c^2)\vec{p}+(a^2-b^2+c^2)\vec{q} \right\}=7(\vec{p}+\vec{q})}

となる。これが成り立つのは、 { \displaystyle 2a=b=c}、つまり辺の比が1:2:2の二等辺三角形になるときである。

ちなみに、以上はバカ真面目に垂心の位置ベクトルを数式で表してから解いたが、先に二等辺三角形となることを示してやる方がやりやすい。