難問奇問数学自作問題26-呑んだ暮れの冒険2(勾配と漸化式)-

「長方形を横に3つの長方形に等分割してできた小部屋を、左からA、B、Cとする。泥酔した宿泊客が、1分ごとに隣の小部屋に移動する、ないし現在の部屋にとどまる選択をするとする。Cの部屋ではお酒が自由に飲めるため、この客はなるべくCから出たくないという状況を考える。A→B、A→A、B→A、B→B、B→C、C→B、C→Cの確率は、それぞれ  { \displaystyle \frac{1}{2}, \frac{1}{2},\frac{1}{3},\frac{1}{3},\frac{1}{3},\frac{2}{9}, \frac{7}{9}} とする。この客は最初にAにいるとして、 { \displaystyle n} 分後にCの部屋にいる確率  { \displaystyle C_n} を求めよ。」

 

考え方のポイントは、 

① 対称性が使えなさそうなので、無理やり { \displaystyle C_n} に対する閉じた漸化式をだ出す

② 4項間漸化式をとく

の2つである。

 

まず、3つの漸化式から、 { \displaystyle C_n} についての漸化式を求めれば良い。しかしこれは4項間漸化式になるため、前回の記事の方針に従って解くことになる。

suugaku-daigakunyuushi-inshi.hatenablog.com

 具体的に解は、 { \displaystyle C_n=\frac{9}{13*19}\left\{13-19(2/3)^{n-1}+6(-1/18)^{n-1}\right\}} となる。

 

十分時間が経過した時の確率を考えると、A、B、Cにいる確率はそれぞれ  { \displaystyle \frac{4}{19},\frac{6}{19}, \frac{9}{19}} となる。このように、各小部屋に確率勾配(比例ではないが)ができていることがわかる。