難問奇問数学自作問題63-ルジャンドル多項式を高校数学の範囲で導出してみよう-

 { \displaystyle (n+2)P_{n+2}(x)=(2n+3)xP_{n+1}(x)-(n+1)P_n(x)} を満たす  { \displaystyle x} についての関数列  { \displaystyle P_{n}(x)} がある。 { \displaystyle P_{0}(x)=1, P_{1}(x)=x} のとき、以下の問いに答えよ。

(1)  { \displaystyle P_{n}(x)=\sum_{m=0}^{[n/2]}\frac{(-1)^m (2n-2m)!}{2^n m! (n-m)! (n-2m)!} x^{n-2m}}  となることを示せ。

(2)  { \displaystyle P'_{n}(1)} を求めよ。」

 

ポイントはひたすら帰納法。かなり複雑だが、辛抱強く帰納法を使用すれば証明できる。

 この多項式ルジャンドル多項式と呼ばれるもので、クーロン相互作用などのような、距離の逆数に比例する相互作用が存在する場合の運動を記述する際に用いられる。(2)は高校の範囲では結構難しい。まずは、  { \displaystyle P'_{n}(1)} をいくつか具体的に求めてみる。すると、すぐに規則性があることに気づくだろう。ただし、いきなり示すのは難しそうなので、まずは  { \displaystyle P_{n}(1)}を漸化式から求めてみよう(by帰納法など)。すると、 { \displaystyle P'_{n}(1)} に対する漸化式を解くことができる。