難問奇問数学自作問題11-球と平面の勾配-

「平面  { \displaystyle \alpha} 上に、それぞれの球同士が接するように、半径1,2,3の3つの球が置かれている。また、この3つの球の上に接するように平面  { \displaystyle \beta} を置いた。このとき以下の問いに答えよ。

(1) 平面  { \displaystyle \alpha} と3つの球との接点で作られる三角形の面積を求めよ。

(2) 平面  { \displaystyle \alpha} { \displaystyle \beta} のなす角を  { \displaystyle \theta} とする。  { \displaystyle cos\theta} を求めよ。」

 

考え方のポイントは、
① ヘロンの公式が使えるか

② 射影とコサインの関係を利用できるか

の2点。

 

以下、解答の流れを説明する。

 

 (1)は三平方の定理を繰り返し用いて各辺の長さを求め、ヘロンの公式を利用すればOK。

 (2)は、真面目に勾配を計算しようとすると厄介。(1)でなぜ面積を求めたのか考えてみよう。各球の中心を結んでできる三角形を平面  { \displaystyle \alpha} に射影したものが、(1)の三角形に相当する。ここで射影により面積がなす角のコサイン倍だけ圧縮されていることを用いる。すなわち、これらの面積比  { \displaystyle r} は、 

 { \displaystyle r=cos \frac{\theta}{2}}

を満たす。あとは倍角の公式を用いれば良い。