難問奇問数学自作問題2-三角関数の積分を工夫して-

 { \displaystyle I=\int^{\pi/2}_{0}\frac{cos x}{4cos x+3sin x+5}} { \displaystyle J=\int^{\pi/2}_{0}\frac{sin x}{4cos x+3sin x+5}} { \displaystyle K=\int^{\pi/2}_{0}\frac{1}{4cos x+3sin x+5}} とそれぞれ定義する。この時、以下の問いに答えよ。

(1)  { \displaystyle 4I+3J+5K} を求めよ。

(2)  { \displaystyle 3I-4J} を求めよ。

(3)  { \displaystyle K} を求めよ。

(4)  { \displaystyle I} を求めよ。」

 

作ってて自分でも計算だるくなってしまったと思いつつ、問題自体の着想が面白いので掲載してみる。
以下、考え方兼略解。

考え方のポイントは、
①分母がモロ合成関数にしてくれ、って感じやん
 { \displaystyle I}は直接ではなく、(1)-(3)で得られた関係式から間接的に求めるのかな?
の2つ。

 

解の詳細は省くが、解答の流れはしっかりと見ていくことにする。

 

 まず(1)は楽勝。(2)はちょうど分子が分母の微分したものになっているので、対数の微分になっていることから解ける。

(3)は計算が少し面倒。まずは分母を合成して  { \displaystyle 1+cos} の形にする。こうすれば、倍角の公式の逆を用いることで、分母が  { \displaystyle cos^2} の形になる。これはタンジェント微分に他ならないので、積分自体は実行できる。

注意すべきは、三角関数を合成した際に位相(cosの中身)がずれていること。この位相のズレに対応するtanが求まっていなければ、定積分の値を求めることができない。なので、タンジェントの和の公式を使ってえっちらおっちら計算する必要がある。

最後に(4)。(1)-(3)で得られた結果を連立して { \displaystyle I}を求めることで得られる。

 

 { \displaystyle I}を直接求めることが難しいので、上記のような「周りから攻める」方法を用いたのである。