難問奇問数学自作問題1-レストランの伝票を入れるやつ-

「 半径  { \displaystyle 1}の底円を持つ高さ { \displaystyle 2} の円柱があり、側面に厚みのない紙が巻き付けられているとする。この円柱の底円の円周上の点Pと、上円の円周上の点Qを通る平面による切断を考える。Pの直上にある上円の円周上の点P'に対し、Qは円の中心に対して対象な位置にあるとする。また、切断面はQにおける上円の接線を含んでいるとする。この面によって切り取られた紙の形状はどんなものか。また、切断面の面積を求めよ。」


以下、考え方兼略解。

考え方のポイントは、
①「ああ、レストランのテーブルの上によくあるやつや」と感じれること
② 円周上に沿った座標系で考えよう
の2つ。

特に、①のように実体験に即して思考できることはとても重要である。レストランには他にも、「照明によって明るくなった壁の一部分」など、面白い幾何学的図形が隠れていることだろう。

 

では、略解を記載する。
Pから右回りに円周上を { \displaystyle \theta} だけ進んだ点をRとする。Rの直上にある切断面上の点をSとする。同様に、Pから左回りに { \displaystyle \theta} だけ進んだ点をR'、その直上にある切断面上の点をS'とする。底円の中心をCとし、直線CPとRR'の交点をT、SS'とPQの交点をUとおく。

すると、 { \displaystyle \angle}POR  { \displaystyle =\theta} より、PT { \displaystyle =1-cos\theta} となる。

よって、相似を用いると、SR=TU  { \displaystyle =1-cos\theta} を得る。

 

Pが(0,0)、Cが( { \displaystyle \pi} ,0)にくるようなxy平面上への展開を考えよう。するとRは( { \displaystyle \theta},0)、Sは ( { \displaystyle \theta},  { \displaystyle 1-cos\theta})に移される。

従って切り取られた紙は、正弦波の形をしていることがわかる。

面積は、楕円の面積で求めることもできるし、射影を利用しても得られる。