難問奇問数学自作問題71-君はどの平均を選ぶ?平均のトライアングラー-

「以下の問いに答えよ。

(1)  { \displaystyle x \gt 0 } において、 { \displaystyle y=x-log(x)-1} のグラフの概形を書け。

(2)  { \displaystyle n} 個の正の実数  { \displaystyle x_1,x_2,...x_n} に対し、相加平均  { \displaystyle M_1=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}x_i}、調和平均  { \displaystyle M_{-1}=\frac{n}{\sum_{i=1}^{n}x_i^{-1}}}、相乗平均  { \displaystyle M_0=(x_1 x_2...x_n)^{1/n}} を定義する。 { \displaystyle M_{-1}\leq M_{0} \leq M_{1}} を証明せよ。」

 

意欲的な人は、いきなり(2)に取り組んでほしい。

 

(1)より、常に  { \displaystyle x-log(x)-1 \geq 0} (等号成立は  { \displaystyle x=1} のとき)が成り立つことが示される。そこで、 { \displaystyle x=\frac{x_i}{M_1}} とし、不等式の和をとってみれば、 { \displaystyle M_{0} \leq M_{1}} が容易に示される。このように思いつくポイントとしては、対数の和を取ることで、対数の中身が積に変換されることである。すなわち、対数の中身で相乗平均が構成できると予想される。

一方、 { \displaystyle M_{-1}\leq M_{0}}はどうか。逆数をとった上で、上記と同じ議論をすれば良い。

 

この問題自体は有名問題であり、関連する問題も入試に出ている(調和平均はあまりない)。また、興味深いのが、 { \displaystyle M_{-1}\leq M_{0} \leq M_{1}}の結果から、なんとなく一般化平均(前問参照)  { \displaystyle M_{m}} は、 { \displaystyle m} に関して単調増加であることが推察される。実際これは正しい。例えば、 { \displaystyle M_{1} \leq M_{2}} はコーシーシュワルツの定理より示すことができる。