難問奇問数学自作問題59-ラゲール多項式を高校数学の範囲で導出してみよう-

 { \displaystyle L_{n+2}(x)=(2n+3-x)L_{n+1}(x)-n^2L_n(x)} を満たす  { \displaystyle x} についての関数列  { \displaystyle L_{n}(x)} がある。 { \displaystyle L_{0}(x)=1, L_{1}(x)=-x+1} のとき、以下の問いに答えよ。

(1)  { \displaystyle L_{n}(x)} { \displaystyle n} 次の多項式であり、最高次の係数は  { \displaystyle (-1)^n} であることを示せ。

(2) (1)の結果より、 { \displaystyle L_{n}(x)=\sum_{k=0}^{n}a_{k}x^{k}}  と表せる。このとき、各項の係数は  { \displaystyle a_{k}=\frac{(-1)^k(n!)^2}{(k!)^2(n-m)!}} となることを示せ。 

(3)  { \displaystyle \sum_{k=0}^{n}\frac{d^k L_{n}(0)}{dx^k}} を求めよ。」

 

ポイントは前問同様ひたすら帰納法。かなり複雑だが、辛抱強く帰納法を使用すれば証明できる。(3)では、式をまとめた後、二項定理を使えば良い。

 

ちなみに、 { \displaystyle L_{n}(x)} をラゲール多項式と呼び、水素原子のような、球対称のポテンシャル(力を生み出す場の総称。例えば、重力に対する位置エネルギーや、復元力に対するバネが蓄えるエネルギーなど)下におけるシュレデインガー方程式の解を表す場合がある。

大学では、母関数と呼ばれるものを用いてより簡便に導出することができる。