難問奇問数学自作問題8-オイラーの積分を利用して-

「以下を示せ。

(1)  { \displaystyle \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}log(sin x)dx=-\frac{\pi}{2}log2}

(2)  { \displaystyle \sum_{i=0}^{\infty}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}log\left(cos \frac{x}{2^i}\right)dx=\frac{\pi}{2}(1-log\pi)}

考え方のポイントは、
① サインの周期性を利用する

② 「logで三角関数ときたら、倍角の公式を連想する」

③ 「logでシグマときたら、一つにまとめる」

こと。ちなみに(1)の解法はオイラーによるものである。

 

以下、略解を説明する。

 (1)は以下の手順でK.O.。

 { \displaystyle \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}log(sin x)dx=\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}log(cos x)dx} を証明→  { \displaystyle \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}log(sin x)dx+\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}log(cos x)dx} を、倍角の公式を使って計算する→ { \displaystyle \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}log(sin x)dx} の閉じた式を得る。

 途中で、三角関数の周期性をうまく使用する。「sin+cosの計算をしよう」と思いつくことがなかなか難しいが、②つめのポイントを踏まえると納得がいくかもしれない。

  (2)はこのままとくのはムリ。なので、前問の結果

suugaku-daigakunyuushi-inshi.hatenablog.com

 の結果を拝借する。問題文の左辺の和をlogで1つにまとめた上で、この結果を用いて積分を実行すると、答えが得られる。なお、途中で  { \displaystyle lim_{x\to 0}xlogx=0} の事実を用いる。