難問奇問数学自作問題73-透過と反射の続き-

大学入試 自作問題 難問 奇問 数列 極限

「前問において、時刻 { \displaystyle \frac{nd}{v} \lt t \lt \frac{(n+1)d}{v}} において 、 { \displaystyle x=d} の障壁よりも右側に存在する粒子たちの重心の位置を { \displaystyle x=G_t}とする。ここで { \displaystyle n}は自然数とした。 { \displaystyle G_t-vt} を { \displaystyle r,d,n} を用いて表し、 { \displaystyle lim_{n\to \infty }G_t-vt} を求めよ。」

 

 ポイントは、粒子がどこにどれだけいるか、しっかり抑えること。右側だけに限った場合、一番先行している粒子群は { \displaystyle x=vt} に { \displaystyle (1-r)^2 N} だけいる。二番手は、 { \displaystyle x=vt-2d} に { \displaystyle r^2(1-r)^2 N} だけいる。一番遅れて透過した粒子は、ガウス記号を用いて { \displaystyle x=vt-2[(n-1)/2]d} に { \displaystyle (1-r)^{2[(n-1)/2]}N} だけだけいることがわかる。あとは、モーメントの計算をし、右側の総粒子数で割れば重心が求まる。

解だけ書いておくと、

  { \displaystyle G_t-vt=-r^2\frac{1+[(n-1)/2]r^{2[(n-1)/2]+2}-([(n-1)/2]+1)r^{2[(n-1)/2]}}{1-r^{2[(n-1)/2]+2}}2d}

となり、極限は { \displaystyle -2r^2d} となる。