難問奇問数学自作問題108-ローレンツ変換について-

 { \displaystyle t,x}を実数 { \displaystyle a,b,c,d}を用いて { \displaystyle t'=at-bx,x'=-ct+dx}と変換する。任意の実数 { \displaystyle t,x}に対して { \displaystyle {t'}^2-{x'}^2=t^2-x^2}が成り立つとき、 { \displaystyle b,c,d} { \displaystyle a}を用いて表せ。」

 

 { \displaystyle t}を時間、 { \displaystyle x}を空間座標としたとき、 { \displaystyle t^2-x^2}のことを「世界間隔」と呼ぶ。特殊相対性理論では、世界間隔がローレンツ変換の下で不変になるように構成される。ローレンツ変換では、時間と空間が相互に入り混じっていることがわかる。古典力学を考えた場合、等速度運動する点から見た座標系は、慣性系 { \displaystyle x'=x-vt}とすればよかった。一方で、時間は絶対的であり、当然 { \displaystyle t'=t}となる。この変換をガリレイ変換と呼ぶ。つまり古典力学に関しては、時間は空間の影響を受けず、一様に等しく一方向に進む。しかし、光に近い速さの点などに関しては、このようなガリレイ変換は成立しないことが知られている。すなわち、時間の進み方は空間によって影響を受け、結果としてローレンツ変換に従うようになる。

ちなみに、ローレンツ変換において、物体の速度が光より十分に小さいとした極限はガリレイ変換に一致する。