難問奇問数学自作問題5-色々な距離(マンハッタン距離)-

 { \displaystyle xy}平面上の2点  { \displaystyle \alpha (x_1,y_1), \beta (x_2,y_2)} に対して、 { \displaystyle D_{\alpha \beta}=\sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2}} 及び  { \displaystyle L_{\alpha \beta}=|x_1-x_2|+|y_1-y_2|} を定義する。

 いま、点A(1,0)と、 { \displaystyle x^2+y^2=1} の円周上の動点Pがある。この時、以下の最大値を求めよ。

(1)  { \displaystyle L_{AP}}

(2)  { \displaystyle \frac{1}{1+\sqrt{2}}(L_{AP}+\sqrt{2}D_{AP})}


以下、考え方兼ヒント。

考え方のポイントは、
① 三角関数を使うのが良さそう
② (2)は通常の距離  { \displaystyle D}とマンハッタン距離 { \displaystyle L} のハイブリッド。なので、最大値は、(1)のそれと  { \displaystyle D}の最大値の間にあるのかな?
と考えれること。高校までに習ってきた距離は  { \displaystyle D}(ユークリッド距離)であったが、世の中には色々な種類の距離があり、マンハッタン距離もその一つ。マンハッタンは日本の平安京のように碁盤目状の都市であり、移動距離が  { \displaystyle L} で記述されることが由来である。

 

解法については、Pの座標を三角関数で導入し、あとは微分で増減表を書くだけ。(2)のヒントとしては、微分した結果を、さらに積和公式を用いて簡単にすると良い。解は省略する。

 

上記のマンハッタン距離は、統計や機械学習でよく使われるもの。通常のユークリッド距離では、小さい入力はより小さく、大きい入力はより大きくなる傾向がある。このため、データにノイズ由来の外れ値がある場合、その値の影響が過大評価され、見たい真の関係が見えにくくなることがある。マンハッタン距離では、こういった外れ値の影響が低減される利点がある。ただし絶対値を含むため、微分などの解析が難しくなる欠点がある。